「アメリカはなぜ日本に原爆を投下したのか」 ロナルド・タカキ

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2007/08/08 Wed
アメリカの原爆投下はしょうがなかったのか??

1945年8月6日に広島に原爆が投下、その3日後、8月9日に長崎に原爆が投下されました。
今年もこの時期を迎えて、今、各テレビ局で原爆特集などをやっていますね。

8月6日の報道ステーションにて、映画「ヒロシマナガサキ」の紹介と共に、アメリカの歴史教科書の原爆についての記述が放送されていました。
そこでは、このように書かれています。

「原爆を投下することで、戦争を早期に終結させ、本土決戦になった場合に予想されるアメリカ兵の死者数50万人の命を救った。」

「アメリカ兵50万人の命を救うため」に、また、「戦争の早期終結」のために、原爆の投下はやむを得なかった、というのは、最も一般的な原爆投下の正当化の理由となっているものだと思います。
実際にアメリカの歴史教科書に書かれている通り、多くのアメリカ人にはこの理論が教育として刷り込まれているようです。

しかし、
本土決戦の必要性も無かったし、50万人という数字も大嘘です!!
戦争を長引かせた一因は、トルーマン個人の「無条件降伏」へのこだわりがあります!!

本書では、まず、軍事的に原爆が全く不必要であったことを証明します。

マッカッサーの本土決戦に関する報告、参謀長レーヒ提督の手記などから、
軍事的には、日本本土への空襲を続けるのみでよく、本土決戦は不必要と考えられていたこと、
また、仮に本土決戦を行った場合の死者数は4万人程度の予想だったことが分かります。

マッカーサー将軍、アイゼンハワー将軍、レーヒ提督といった軍の実務担当者達は揃って原爆の使用に反対していました。
彼らは、毒ガスが非人道的な武器であり、もし民間人に使用すれば国際的な非難を受けることを良く知っています。原子爆弾は、放射能を撒き散らす、毒ガス以上に非人道的な武器で、彼らにとっては絶対に使用が許されるようなものではなく、仮に使用した場合にアメリカ軍が受ける非難を恐れていました。

さらに、6月の沖縄戦の時点で、日本では戦争終結を目指していましたし、レーヒ提督を初めとするアメリカの内部からも、天皇制を維持を条件とした降伏を受け入れて戦争を終結させよう、という意見が挙がっていました。
国際的にも、まさに戦争を早期に終結させるために、天皇制維持を条件とすれば日本は降伏するというのが明白になっていました。

しかし、トルーマンはこれらの声を押し切って断固「無条件降伏」にこだわり続けました。

そして、原爆が完成するまでわざわざポツダム会談を延期、「無条件降伏」を要求することでかえって戦争を長引かせているのです。

「50万人の兵士の命を救う」「戦争の早期終結」という原爆使用の目的は、大嘘であることが分かります。

また、そもそも、本当にその目的のために使用するとしても、兵士の命を救うために、ほぼ同数にも及ぶ婦人・子供までを含む民間人を殺すことが正当化できるでしょうか?
それが、戦争が終結した後でも被害者を延々と出し続ける放射能を撒き散らすようなものであれば、尚更正当化できるわけがありません。
(当時は、原爆を落とされた地域は、放射能のために72年間は立ち入り出来ないと言われており、調査員の立ち入りも制限されました。アメリカはそのような影響を自分達で算出していて使用しているのです!!)

兵士の命を救うために、また、戦争の早期終結のために、核爆弾の使用が許されてしまうなら、どんな戦争においても核爆弾の使用は正当化されてしまうではないですか!!!
それが正当化されないことは、その後の多くの戦争にて核爆弾が使用されていないことでも明らかです。

(もっとも、あまりに「兵士の命を守るために原爆を使用した」という正当化を刷り込まれているために、いざとなれば相手に核を打ち込め、と言い出すアメリカ人もいるようなのですが。)

原爆を開発した科学者達からも、原爆を実戦では使用しないようにとの請願書が出されています。
彼らは、公開実験などにより原爆の威力を示すことで、威嚇としてのみ使用すれば良いと考えていました。
まして、原爆が広島や長崎といった人口の多い都市に落とされることは考えていませんでした。
アインシュタインを初め多くの科学者が戦後原爆の開発に携わったことを間違いだったと後悔していますが、トルーマンはそのような科学者達を毛嫌いしました。


では、なぜ、トルーマンは原爆を投下したのか?

この本ではその原因を大きく3つ挙げています。

1、戦後の対ソ連・対スターリン戦略
  アジアにおけるソ連の権力拡大を防ぐため、当時アメリカしか持っていない原爆の威力をソ連に見せ付けることで、戦後処理をアメリカ優位に進めようとした。

2、トルーマンの男らしさの演出
  男らしい父・叔父などを誇りとしていながら、子供の頃から「意気地なし」と言われて「男らしさ」がコンプレックスになっていたというトルーマンの基本性格の上に、
  大統領になったときも、ルーズベルトという偉大な大統領の突然の死によりたまたま大統領になってしまったことで頼りないと思われており、それだけに強さをアピールしようと必死だった。

3、トルーマンの人種差別意識
  トルーマンが南部の出身で奴隷がいる家族であったこと、非公式の場ではジャーナリストなどに対しても平気で「ニガー」という言葉を使用していたこと、同様に有色人種である日本人にも差別意識があった。
  また、当時の風潮では、トルーマンに限らず、アメリカ全体に中国人・日本人を初めとする差別の風潮があった。
  (同じ状況がドイツであれば、原爆は落とされなかったはず。またドイツはヒトラー個人やナチスという特定団体が標的とされるが、日本の場合は日本人そのものが敵・野蛮人とされていた。)


さて、久間元防衛大臣の「原爆はしょうがない」発言ですが・・・これについて個人的な意見を一言。

私はニュースで一応発言全体を聞きました。
発言全体の趣旨としては、
「戦争という状況下だったために原爆が落とされたのであり、原爆によって戦争が早期に解決した部分もある。今後は戦争そのものが起きないようにしていくべきだ」
ということを述べており、「しょうがない」も「戦争という状況下であった」ということと、「過ぎたことはどうしようもないので、未来を考えていこう」というようなことを言おうとしていたと理解しています。
そのような内容自体は、必ずしも悪くなかったと思います。

それでもはやり「原爆はしょうがない」は不適切な語彙の選択です。
なぜならば、例えば「アウシュヴィッツはしょうがない」「南京大虐殺はしょうがない」などと言うでしょうか?
久間さんの「戦争という状況下であった」ということと、「過ぎたことはどうしようもないので、未来を考えていこう」という文脈に従えば、同様のことはアウシュヴィッツや南京大虐殺にも当てはまりますが、それでも「アウシュヴィッツはしょうがない」と言ってしまえば間違いなく非難を受けるでしょう。
原爆はアウシュヴィッツなどと並ぶ民間人の大虐殺行為です!!
はやり「しょうがない」と受け入れるような言葉使いをしてはいけないのです!!

久間さんの発言は自体は文脈的には悪くなかったと思っているのですが、その後久間さんが最後まで「私の発言は悪くないが、周囲が理解しない。」という態度を貫き、自分の言葉の選択を反省しなかったのは非常に腹立たしいです。やっぱりちょっと問題あるなぁ、と思っています。
上記のように、「ならあなたはアウシュヴィッツはしょうがない、と言いますか?」と聞いてみたいですね。


私は、広島にも長崎にもアウシュヴィッツ=ヴィルケナウ収容所(ポーランドではオシフィエンチム)にも行きました。
これらは世界の全ての人が一度足を運んでおくべきではないかと思っています。
それが同様のことを繰り返さないための最大の抑止力になると思うからです。

ヒロシマ・ナガサキこそ、その後の核爆弾の使用を防いでいる世界最大の核への抑止力であると思います。
北朝鮮・イラン・イスラエルなど公然と核開発を進める国がある中、改めてそれらの国の人たちにヒロシマ・ナガサキを訴えていく必要があると思います。


この本は、かなりの部分が多くの資料からの引用で構成されており、よくある「原爆投下の真相」といった本の中でも信用のおけるドキュメント本といえます。(その一方、構成が分かりにくく、大きなテーマごとに章分けはされているものの、もっと主張・要点を明確にしてから資料を並べるなりすれば分かり易かったと思います。わざと論旨をぼかしているのかもしれませんが・・・。)

原爆記念日、8月15日の終戦記念日を迎え、今一度戦争をより良く理解するために、是非、ご一読をお奨め致します!




↓原爆を投下した飛行士の本が邦訳されています。
こういう意見を言う人もいるのだ、という事実を知るのも必要だと思います。



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コメント
この記事へのコメント
所感
別に書籍の目次を知りたい訳ではないですし、誰もがわかりきった引用やコメントより、オリジナルのご意見を聞かせて頂きたいです。紹介されて見に来ましたが……ご自分のサイト以外ではかなり好き勝手にかかれているのに(笑)ここはその勢いないんですね
2007/08/26(日) 22:59 | URL | ただし -
>ただしさまへ
>ご自分のサイト以外ではかなり好き勝手にかかれているのに(笑)

多分、どこかのノルンさんと勘違いされているのではないかと思いますけど・・・違いますか?
他の場所への書き込みはほとんどしていません。思い浮かぶのはアメーバニュースくらいかな、と思いますけど。
2007/08/28(火) 23:12 | URL | ノルン -
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