「平均律クラーヴィア曲集 全巻」 J.S.バッハ

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HOME音楽_クラシック「平均律クラーヴィア曲集 全巻」 J.S.バッハ

2007/08/09 Thu
音楽の「旧約聖書」と言われる作品です。

「平均律」とは音の幅を等間隔に区切った音律、いわゆる音階のことで、またその調律方法を指す事もあります。
日本では「平均律」と言われるこの作品ですが、バッハ自身による原題は「Das wohltemperierte Clavier」(本当はもっと長いので追記に記載します)で、wohltemperierteは英語でWell-Tempered(ウェル・テンペラメント)という古典調律のことです。このWell-Temperedがこの曲集の一般的なタイトルにもなっています。
現在で言う「平均律」とは厳密には別のものです。

この曲集は、12平均律の長短24調にそれぞれ前奏曲とフーガを1組として付けたものが、さらにそれぞれ第1巻、第2巻と二つあります。
大きな目的は鍵盤楽器の練習のためであり、全て3声から5声です。
バッハ以降のほぼ全ての作曲家・演奏家は、必ずこの曲を経験して音楽を学んでいると言われる作品です。

練習のため、とはいえ、バッハは単に技巧的な曲は作りませんでした。練習のためにも最も必要なものは音楽性と考えていたのです。

ですから、この曲集も非常に美しい曲集です。
全曲の最初を飾る、BWV846ハ長調の前奏曲は、ほぼそのままシャルル・グノーの「アヴェ・マリア」の伴奏に使われています。
私は全曲の中でも特に、最初のこの1曲が大好きです。
シンプルなメロディが繰り返され繰り返され、天国で流れるBGMのようなとても心地良くなる曲です。


さて、お奨めのCDは、
ピアノなら間違いなく、スヴャトスラフ・リヒテル(Sviatoslav Teofilovich Richter)です。
リヒテルについては、シューマンのピアノ・ソナタでも紹介しているので参照してください。
⇒シューマン 「ピアノソナタ第2番」の記事を見る。
試聴可能なCDも紹介しておきます。

バッハの時代には、まだピアノは使われていませんでした。
バッハの時代のクラーヴィア(鍵盤楽器)といえば、クラヴィコードかチェンバロです。
バッハの時代の音色を聴くには、チェンバロのCDでどうぞ。
チェンバロのCDも紹介しておきます。

その他の薀蓄やチェンバロについての内容などは、追記で記載します。
記事下部の【続きを読む】をクリックしてください。

ヴィジュアルに分かる本棚を作りました!
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リヒテルによるバッハ。巨人による巨人の演奏。
日本盤
試聴は全曲こちらの輸入盤で可能です。

バッハの時代の音色、チェンバロによる演奏
第1巻
第2巻

楽譜はこちらです。
第1巻
第2巻


冒頭で、このバッハの平均律を音楽の「旧約聖書」と書きました。
これを言ったのは、職業指揮者の先駆け、ハンス・フォン・ビューローです。
音楽の「新約聖書」としては、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲を挙げています。
このブログでも、ベートーヴェンのピアノソナタを紹介しているのでご覧になってください。
⇒ベートーヴェン「ピアノソナタ 14番月光 23番熱情 8番悲愴」
⇒ベートーヴェン「ピアノソナタ 21番ワルトシュタイン 17番テンペスト 26番告別」
⇒ベートーヴェン「ピアノソナタ 30番 31番 32番」


バッハ自身が第1巻に書き残した表題は、
"Das wohltemperierte Clavier, oder Preludia und Fugen durch alle Tone und Semitonia. Sowohl tertiam majorem oder Ut Re Mi anlangend als tertiam minorem oder Re Mi Fa betreffend. Zum Nutzen und Gebrauch der lehrbegierigen musicalischen Jugend, als auch derer in diesem Studio schon habil seyenden besonderem Zeitvertreib aufgesetzet und verfertiget von Johann Sebastian Bach p.t. Hochf.Anhalt-Cothenischen. Capel-Meister und Directore derei Cammer Musiquen. Anno1722"

長いですね。訳は下記です。

"平均律クラーヴィア、すなわち、全ての全音、半音長3度ウト(=ド)・レ・ミ、また、短3度レ・ミ・ファを通じての前奏曲とフーガ。指導を求めてやまぬ音楽青年の役に立ち、またこの道の研究において熟達した人のためには特別な暇潰しとなるように、選帝侯国アンハルト・ケーテンの楽長兼室内指揮者ヨハン・セバスティアン・バッハによってかかれ作成された。1722年。"

バッハの平均律は、全2巻、48曲(前奏曲とフーガを分ければさらに倍の96曲)の大作になりますが、かなりの部分が既存の曲を元にしているそうです。自身で別に作曲した曲もあれば他人の作曲の曲も下地にしているようです。
例えば、第1巻の約半数は息子の教育用に作った「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」に含まれていたものだそうです。

また、この調ごとの前奏曲・フーガを並べるという形式は、バッハ以前にも行われており、ヨハン・カスパール・フェルディナント・フィッシャーがバッハ以前に、「アリアドネ・ムージカ」という20の調の前奏曲とフーガを作曲しています。バッハはこれを直接的に手本としているようです。

また、第1巻、第2巻とが作られた間には20年の間があります。
曲の纏め方の形式は一緒ですが、第2巻の方には古い形式の曲から新しい形式の曲までバラエティに富んだ構成になっているそうです。私にはそこまでは分かりませんが。。
そもそもバッハ自身は第1巻、第2巻という風に呼んでいるわけではないので、連続したものではなく、それぞれ独立した曲集と考えるべきなのかもしれません。

表題にある「クラーヴィア」は、現在のドイツでは、ピアノのことを指すそうですが、当時はピアノはまだ使われていません。
バッハの言うクラーヴィアとは"弦によって音を出す鍵盤楽器"(オルガンは含まない)ということで、クラヴィコードかチェンバロ、ということになります。
さらに、バッハがこの曲の演奏を想定していたのが、クラヴィコードなのかチェンバロなのか、というのは議論が分かれるところですが、恐らくは両方とも想定していたのだと思います。要するに「鍵盤楽器のための全音階を使用した練習曲」ということで良いのだと思います。だから、今なら当然ピアノで演奏しても構わないということになりますね。

私はクラヴィコードの音は聴いたことがありません。弦を打って音を出すので強弱などが付けられるそうなので、ピアノに音が近いのかもしれません。但し、大きな音が出ないため、当時も大きな部屋などでの演奏にはクラヴィコードではなくチェンバロを用いたそうです。

チェンバロの演奏はコンサートで聴いたことがあります。
見た目は鍵盤が2段あるもののピアノとあまり変わりません。
しかし、音色はピアノとかなり異なります。
弦を鳥の羽軸や皮の小片で引っ掻くようにして音を出しているため、どちらかというと、ギター系の弦楽器のような音がします。また、2段の鍵盤のうち片方の鍵盤を弾くと同時にもう片方の鍵盤も押さえられていたりします。もしかするとバッハの5声などの演奏の理由の一つなのかもしれませんね。

チェンバロを聴く機会はあまりないかもしれませんが、機会があれば是非、生の演奏をご覧になってください。
ピアノとの音色の違いや上下2段の鍵盤を使った奏法を是非お楽しみください。

まずはここで紹介したCDからどうぞ!!

第1巻(BWV846‐BWV869)
BWV846 前奏曲 - 4声のフーガ ハ長調
BWV847 前奏曲 - 3声のフーガ ハ短調
BWV848 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ハ長調
BWV849 前奏曲 - 5声のフーガ 嬰ハ短調
BWV850 前奏曲 - 4声のフーガ ニ長調
BWV851 前奏曲 - 3声のフーガ ニ短調
BWV852 前奏曲 - 3声のフーガ 変ホ長調
BWV853 前奏曲 - 3声のフーガ 変ホ短調(嬰ニ短調)
BWV854 前奏曲 - 3声のフーガ ホ長調
BWV855 前奏曲 - 2声のフーガ ホ短調
BWV856 前奏曲 - 3声のフーガ ヘ長調
BWV857 前奏曲 - 4声のフーガ ヘ短調
BWV858 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ヘ長調
BWV859 前奏曲 - 4声のフーガ 嬰ヘ短調
BWV860 前奏曲 - 3声のフーガ ト長調
BWV861 前奏曲 - 4声のフーガ ト短調
BWV862 前奏曲 - 4声のフーガ 変イ長調:前奏曲はポロネーズ。
BWV863 前奏曲 - 4声のフーガ 嬰ト短調
BWV864 前奏曲 - 3声のフーガ イ長調
BWV865 前奏曲 - 4声のフーガ イ短調
BWV866 前奏曲 - 3声のフーガ 変ロ長調
BWV867 前奏曲 - 5声のフーガ 変ロ短調
BWV868 前奏曲 - 4声のフーガ ロ長調
BWV869 前奏曲 - 4声のフーガ ロ短調 独特な主題をもったフーガ

第2巻(BWV870‐BWV893)
BWV870 前奏曲 - 3声のフーガ ハ長調
BWV871 前奏曲 - 4声のフーガ ハ短調
BWV872 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ハ長調
BWV873 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ハ短調
BWV874 前奏曲 - 4声のフーガ ニ長調
BWV875 前奏曲 - 3声のフーガ ニ短調
BWV876 前奏曲 - 4声のフーガ 変ホ長調
BWV877 前奏曲 - 4声のフーガ 嬰ニ短調
BWV878 前奏曲 - 4声のフーガ ホ長調
BWV879 前奏曲 - 3声のフーガ ホ短調
BWV880 前奏曲 - 3声のフーガ ヘ長調
BWV881 前奏曲 - 3声のフーガ ヘ短調
BWV882 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ヘ長調
BWV883 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ヘ短調
BWV884 前奏曲 - 3声のフーガ ト長調
BWV885 前奏曲 - 4声のフーガ ト短調
BWV886 前奏曲 - 4声のフーガ 変イ長調
BWV887 前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ト短調
BWV888 前奏曲 - 3声のフーガ イ長調
BWV889 前奏曲 - 3声のフーガ イ短調
BWV890 前奏曲 - 3声のフーガ 変ロ長調
BWV891 前奏曲 - 4声のフーガ 変ロ短調
BWV892 前奏曲 - 4声のフーガ ロ長調
BWV893 前奏曲 - 3声のフーガ ロ短調

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コメント
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。
あーDeepに音楽を愛する人のためのブログですねー・・・そうちょっと音楽を勉強しとけばよかった・・・と思う今日この頃です。
2008/01/04(金) 11:30 | URL | zin -
お引越ししちゃうの?
すっごくお久しぶりです。
お元気ですか??
お引越しちゃうんですか?
寂しいぞぉ~~。
2008/08/01(金) 04:05 | URL | 舞莉亜 -
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