「東欧 再生への模索」 小川和男

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HOME書籍_歴史・地理・世界情勢「東欧 再生への模索」 小川和男

2006/10/06 Fri
この本は非常に素晴らしい。

著者がこの本を執筆したのは、1994年であり、既に10年以上も前の記録になってしまっているが、
この頃は、共産主義世界が崩壊して数年が経過し、各国の「これから」への課題が浮き彫りになりつつあった時代である。
この本は、「東欧」と言われる、旧共産圏のほぼ全ての国について、この各国の特性と、それまでの経済の様子、
94年当時の変化の状況、そして今後への洞察を行なっている。

10年経過した今だからこそ、改めてこの本の素晴らしさが評価できる、と言えるかもしれない。
94年当時に既にこんな著作が世に出ていたとは!!

この本の素晴らしさは、大きく言えば3点に集約される。
①東欧諸国全体という、対象範囲の広範さ、全体的視点。
②情報の正確さ、分析の鋭さ、同時に著者自身の生の目によるルポ。
③新書で200ページというボリュームのバランス

①については、なかなか東欧諸国全体を広く分析した本というのは少ないのではないだろうか。
もちろん、それぞれ一国についての研究書は多くある。
広く扱っている本でもせいぜい、「連帯」のポーランド、「プラハの春」のチェコ、音楽の都としてウィーンが日本人に人気のオーストリア、ブタペストのあるハンガリーくらいまでだろう。
然しながら、ルーマニアからバルカン諸国、或いはバルト三国、ウクライナくらまでは、歴史的にも一つのヨーロッパとして全体の流れを捉える必要があるはずである。
逆に各国の独自性も各国の足並み、利害対立などの関係を見、比較することで、より鮮明に見えてくる。

②については、素晴らしい本としては当たり前であるから、敢えてここで深くは書かないが、
10年経った今、その内容が実に正確で素晴らしいものであったかが分かる。
結果として、この本は、10年経った今でも、最新の分析としては使えないが、歴史の記録として色褪せずに読むことができるのである。
尚、著者は単なる大学教授ではなく、JETROで実際にビジネス経験があり、ソ連・東欧主任研究員にもなった。

③広範囲を対象に、最も複雑な時代の状況を記述しているにも関わらず、新書で200ページである。
このボリュームのバランス感覚も素晴らしい。結果、東欧経済についての手軽な知識の入門書としてこれ以上の本は無いといえるくらいの良書だと思う。

この著者は非常に信頼出来ると思い、この著者が同様の東欧全体の内容で、その後の東欧、最新版の分析の著作を出版してくれないものかと、多少著者について調べたところ、惜しいかな、既に他界されているそうである。
勿体無い。実に残念。残念。

小川 和男
東欧 再生への模索


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