「神技のジプシー・ヴァイオリン」 ラースロ・ベルキとジプシー楽団

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HOME音楽_民族音楽「神技のジプシー・ヴァイオリン」 ラースロ・ベルキとジプシー楽団

2006/12/20 Wed

ジプシー音楽を聴くなら、まずこの1枚をお奨めします。
試聴可能なCDも紹介します!
(⇒ジプシーに関する書籍の紹介の記事はこちら)


ヨーロッパには各地に"ジプシー"と呼ばれる人達がいます。

彼らは国を持たない流浪の民であり、集権的な政治権力を持たないために、
歴史の表舞台だけを眺めた場合、あまり登場機会がなく、
教科書的な世界の捉え方をしてしまうと彼らの意義がなかなか掴めないことだと思います。
(表舞台に登場する場合は、ナチスの迫害の対象民族など被差別民族としての登場がほとんどではないでしょうか。)

然しながら、彼らは流浪の民であるが故に、ヨーロッパや地中海地域の全体に広く分布しており、
文化的にとても大きな影響を与え、同時に各地域の独自の文化を吸収することで、
その地域独特の文化形成に大きな役割を演じています。

彼らの文化的影響=功績のなかでも最も代表的なものは音楽ではないでしょうか。
実際に彼らは各地で楽師として活躍する人達が多く、また、ヨーロッパ各地域の民族音楽にある種の共通性をもたらしているのは彼らジプシーによるところが大きいと思います。

ジプシー音楽起源のヨーロッパの民族音楽の代表的なものとしては、ハンガリーのチャルダッシュ、スペインのフラメンコなどがあることは、ジプシー音楽の音楽性の高さ、各地域でしっかりと受容されながら独自性を発達させていったこと、それでいながらどこか根源的なところでの共通性などを、我々に感じさせてくれるように思います。


ジプシー(彼ら自身は自らを"ロマ"と呼ぶ)は、どのように発生し移動していったのか、正確には分かっていないようですが、
言語学的見地から、インド北部を起源としイランから小アジアを経てヨーロッパ・地中海地域に分布していったようです。


我々日本人も、インドやシルクロード地域からの文化を起源的なものの一つとしているからでしょうか、ジプシーの奏でるメロディーにはどこか郷愁的なものを感じることができ、我々の耳に馴染みやすいものだと思います。



さて、このCDは、ジプシー音楽がそのまま国民音楽と言っても良いほどに根付いている、ハンガリールーマニア地域の曲を集めたものです。


ジプシー音楽といっても、「ジプシー音楽とはジプシーによって演奏されるそれぞれの音楽」というような言葉もあるとおり、ジプシー音楽は広範過ぎて、簡単に括れるようなものではないのですが、一つの代表はハンガリー地域の音楽です。
これは、ハンガリーの貴族達が、ヴァイオリンを卑しい楽器として自ら演奏せず、ジプシーの楽師に演奏を任せたことが一因だそうです。

結果、一時はハンガリー音楽とはジプシー音楽である、というような解釈さえあった程で、かのフランツ・リスト自身が自身のハンガリー人としてのアイデンティティをジプシー音楽の中に見出し、ジプシー音楽を基盤にした作曲を多く行なっています。
彼の代表作といえるハンガリー狂詩曲ハンガリー幻想曲などがそうです。


これが、ジプシー音楽を聴くならまずハンガリー地域の伝統的な民謡曲・舞曲を中心にしたこのCDから、と私が推薦する理由です。


収録曲は、ハンガリー伝統舞曲チャルダッシュなどを中心としており、また、ルーマニア民謡の代表「ひばり」なども収録されています。

さらに、ジプシーといえばバイオリンやギターを中心とした弦楽器がメロディを奏でる上では主役だと思いますが、このCDはタイトルが「神技のジプシー・ヴァイオリン」とあるように、超・超絶技巧の物凄い迫力のヴァイオリンが奏でられ、必聴です。
本当に神技です。
演奏は、ラースロー・ベルキとジプシー楽団です。



ヨーロッパでは、現在でも各地の観光地などでジプシー(特にジプシーの子供達)が音楽を奏でています。
彼らは音楽を奏でることでお金を稼いでいる(=チップを要求してくる)ことが多いため、
日本人観光客が彼らの音楽に足を止めてきちんと耳を傾けたりすることは少ないかと思います。
このCDを聴くことで、ヨーロッパに行った際のジプシー音楽への見方・聴き方が一味変わってくるのではないでしょうか。


ヨーロッパ旅行が好きな日本人は多いと思いますので、是非一度、ヨーロッパ庶民の音楽の主要な担い手であるジプシー音楽に耳を傾けてみてください。


フランツ・リストのハンガリー狂詩曲に関しては以前にこのブログで記事を書いているので、そちらも参照してみてください。
⇒リスト「ハンガリー狂詩曲 全集」の記事へ



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民族音楽, アッティラ・ベルギ, イエネー・オラー, ラースロー・ベルキ, ラースロー・ベルキ・ジュニア, ガーボル・バラディ, バルナバシュ・バイダ, ジェラ・マカ, デジェー・バログ
神技のジプシー・ヴァイオリン

1. ひばり
2. 草笛ホラ
3. 楽しい祭りのチャールダーシュ
4. 徴兵のヴェルブンコーシュ
5. 宮廷の踊り
6. サーカス・ポルカ (ツィンバロン・ソロ)
7. 5つのハンガリーの歌
8. 私は一カ無し
9. ビハリの思い出に
10. ターロガトー・ソロ
11. オールド・チャールダーシュ
12. 4つのハンガリーの歌

試聴はこちらの輸入盤から行えます。
Laszlo Berki Gypsy Ensemble
Gypsy Violin


1. Lark
2. Whistling Hora
3. Festival and Lighting-Fast Csardas
4. Palotas
5. Cirkusz Polka-Cimbalom Solo
6. Five Hungarian Songs: Sorrow Sunday/Every Year a New Blossom/The Brid
7. When My Last Money Is Gone
8. Remember Bihari
9. Taragot Solo
10. Old Csardas
11. Four Hungarian Songs: You Must Leave Me/My Lover Has Left Me/My Carri


ジプシー音楽に影響を受けたクラシックの大作曲家達の曲を、
ラースロー・ベルキとジプシー楽団アレンジで演奏した曲を多く収録したCD。
これぞ、音楽による相互異文化交流。
ザ・ベスト・オブ・ジプシー・ヴァイオリン
ベルキ(アッティラ), オラー(イエネー), ベルキ(ラースロー), バラディ(ガーボル), バイダ(バルナバシュ), マカ(ジェラ), バログ(デジェー), リゴー(ヤーノシュ), ベルキ(ラスロ), リスト
ザ・ベスト・オブ・ジプシー・ヴァイオリン


1. ハンガリー狂詩曲第2番(リスト)
2. モンティのチャールダーシュ(モンティ)
3. ハーリ・ヤーノシュの間奏曲(コダーイ)
4. ホラ・スタッカート(ディニク)
5. チャールダーシュの女王(カールマン)
6. クルツの歌:ターロガトー・ソロ
7. 飛べよ,つばめ(レメーニ)
8. ハディク隊長の歌(ビハリ)
9. クラスノホルカの誇り高い城:ツィンバロン・ソロ
10. ハンガリー舞曲第5番(ブラームス)
11. 黒い瞳
12. 剣の舞(ハチャトゥリアン)
13. スパニッシュ・ジプシー・ダンス
14. カッローの対舞(コダーイ)


ラースロ・ベルキとジプシー楽団
Laszlo Berki & his Gypsy Ensemble


ヴィジュアルに分かる本棚を作りました!
⇒ノルン3姉妹のお気に入りを陳列する棚


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コメント
この記事へのコメント
ロマの音楽と踊り
コメントから来ました!全部オスってところまできちんと読んで居なかった様で。。笑。
昔もっとずっと若かった頃、ロマの方の所にホームステイして踊りを勉強しようと考えた事が有って、ロマに冠する文献等を読みましたが難しすぎて・・人口の推移のグラフとか付いてるんだもん。
トルコに住んで居る人とか、あちこち聞いて見ましたが、そのホームステイは無理なんじゃないかと言う結論に達しました。
今はガッジョ・ディーロと言う映画のテープを持っていて時々見ます。中にロマの娘の踊るシーンやベリーダンスシーンが有るので・・音楽も大好きで私の大切な一本です。


http://ameblo.jp/luna-maria
2006/12/23(土) 03:09 | URL | luna-maria 79D/WHSg
>luna-mariaさまへ
コメントありがとうございます!
アメーバニュースでは、ヘンなつっこみをしてしまい、申し訳ありませんでした。これからも宜しくお願い致します。

ロマの方ってヨーロッパでもよく見かけるのですが、ちょっと差別的に見られていることが多くて、私のような観光客には「スリに気をつけて」なんてことしか言われないので、なかなか彼らに対する理解って深まらないんですよね・・・残念です。

でも、かれらの音楽や文化ってとても興味深いですよね。
映画「ガッジョ・ディーロ」の紹介もありがとうございました。Amazonのレビューでも皆さん高評価ですね。私もレンタル店で探して見てみたいと思います。ありがとうございました!


http://ameblo.jp/norun3sisters
2006/12/23(土) 13:01 | URL | norun3sisters 79D/WHSg
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